引っ越しの荷物の2/3を本が占めていたというIさんご夫妻のために設置した大容量の造作本棚は、1階をシンプルにしたかったこともあり2階ホールに設置。窓の向こうに山並みが映える見通しの良さも魅力

自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

鷹栖町・Iさん宅 家族構成/夫婦40代・30代、子ども1人

家づくりにあたり、Iさんが最も大切にしたのは、住み継ぐ家であること。「外観はその時々の流行ではなく、月日を重ねてもなじむ普遍的なデザインを理想としました」。
Iさんが新築の依頼先として選んだのは、仕事上付き合いがあった新濱建設。「自社大工による確かな施工力、高い住宅性能など、仕事を通じて信頼感がありました」と、同社一択だったそう。いつか手放すことがあったとしても価値の下がらない家にしたい。未来を見据えたIさんご一家の家づくりは、新濱建設と結ばれた強い信頼関係の中で進められました。
吹き抜けのある開放的なLDKは、ナラの無垢床や腰壁のパイン羽目板など、木の心地よさに満ちた空間。リビングの一部は造作の棚やロールスクリーンで仕切る可変的なスペースで、現在はベビーベッドを置いて子育てに便利な場所として機能しています。
2階は個室と大きな造作本棚を設置したホールで構成。「読書やコーヒータイムを楽しんでいます」というご夫妻お気に入りのホールは、吹き抜けを介した上下階のつながりがもたらす開放感や、屋根なりの勾配と現しの梁や柱が深みを与える空間です。
「三角屋根の勾配を6寸にして無落雪にするなど、不便のない暮らしの提案は、新濱建設に依頼した自分の決断に間違いがなかったと思わせてくれました。おかげで月日が経っても価値の高い住み継ぐ家が実現できたと思います」と、笑顔で語るIさんでした。

Replan北海道143号 事例

■建築データ

□構造規模 木造(在来工法)・2階建て
□延床面積 170.74㎡(約51坪)(カーポート・物置含む)
□主な外部仕上げ
屋根/アスファルトシングル、外壁/カラマツ板張、建具/玄関ドア:YKK AP 断熱ドア イノベスト、窓:YKK AP 樹脂サッシ APW430
□主な内部仕上げ
床/道産ミズナラフローリング、壁・天井/北欧パイン羽目板張・クロス
□断熱仕様 充填断熱+付加断熱
基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール24㎏105㎜+105㎜、屋根/高性能グラスウール24㎏315㎜
□暖房方式 パネルヒーター

■工事期間 令和5年3月~8月(約5ヵ月)

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    大きな吹き抜けはIさんご夫妻の希望の一つ。「仕切りは極力省き、上下階ともにゆるやかにつながる空間を実現できて嬉しいです」とIさん

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    リビングの一角に設けた多目的スペース。ロールスクリーンや造作棚で仕切って部屋にしたり、ひとつながりのリビングとして活用したりと、ライフスタイルの変化に合わせて可変する。「子どもが生まれたばかりなので、キッチンに近いこの場所はミルクをつくるにも便利です」と奥さん

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    既製のキッチンは、造作の背面収納と組み合わせることで空間になじませた。カフェのような雰囲気が憧れだったという奥さんは、吊り棚は設けずにお気に入りのアイテムをディスプレイする飾り棚を選択

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    自然光で明るい洗面スペースは、ゆったりとした広さを確保。洗面台と収納を造作した

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    腰壁はパイン材の羽目板、床は節なしのナラの無垢材を採用。「水まわりは奥に集約し、キッチンは中心に。間取りも普遍性を考えてシンプルにすることを重視しました」とIさん。左に曲がると水まわりや2階へ向かう階段がある

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    リビングと連続するウッドデッキは、テーブルを運んで食事やお茶を楽しむ家族の大切な居場所の一つ

  • 自然素材に包まれた時代を重ねても色あせない心地よい住み継ぐ家

    無落雪を目指し6寸の勾配にした三角屋根のIさん宅。士別産のカラマツを採用した外観が温かみを与える